本記事では、クオカード デジタルイノベーションラボ(以下、ラボ)におけるAIツールの導入方針、活用事例、今後の展望についてご紹介します。
導入方針
室長主導でスムーズな導入
ラボでは、室長の齋藤が中心となり、AIツールの導入を推進しています。
齋藤は技術動向に常にアンテナを張り、有望なサービスがあれば即座に導入を検討し、メンバーに共有のうえ導入を進めています。 これにより、通常は複数の部署を経ることが多い承認プロセスも、最小限の調整でスピーディーに進められています。
また、AI分野は変化が速く年間投資額を事前に決めにくいため、都度社長に確認する形になりましたが、即確認してもらえるので、迅速な導入が実現しています。
さらに、ツール導入に必要な事務手続きは事務担当が代行する事で、担当者の負担を減らし、導入プロセス全体を円滑に進めています。スピード感を妨げる社内ルールの見直しも行い、ボトルネックを解消することで、迅速な導入を実現しています。
関心のある人から試し、課題解決に繋がりそうなものを取り入れる
新しいツールは、まず関心を持ったメンバーがトライアルから始めています。 実際の業務で使ってみて効果を検証し、「課題解決に役立つ」と判断できたものを正規採用しています。
この方法により、現場のニーズを反映した導入が可能になり、メンバーも納得感を持って活用を始められています。
現在の導入状況
以下のようなAIツールを導入し、それぞれの特性に応じた使い分けを進めています。
- Gemini
- ChatGPT
- Devin
- Claude
- Claude code
- Circleback
- RAGを活用した内製ツール(効率的な情報検索を実現するため、ナレッジ共有に利用しているBacklogのWikiと連携)
- Cursor(2025/9で利用終了、Claude Codeに移行)
これらの活用方法などについては、以下の記事で紹介しています。
- GitHub CopilotとChatGPT、何に使っているかアンケートとってみました!
- Devinの活用方法や良い点・課題点、今後任せたいことについてアンケートとってみました!
- Cursorの活用方法や良い点・課題点、今後任せたいことについてアンケートとってみました!
- 本質的な業務に集中できる環境を作るため、AI議事録作成ツール「Circleback」を導入した話
- RAGを用いた社内情報検索システムを構築した話
- Claude Codeの活用方法や導入による変化についてアンケートとってみました!(前編)
- Claude Codeの良い点や悪い点、今後任せてみたいことについてアンケートとってみました!(後編)
活用する上で意識していること
ラボでは、AIツールは万能ではないことを前提に活用しています。 得意・不得意や自動化できること・人の判断が必要なことを理解し、エンジニアが出力を確認・補完しながら作業を進めています。
現時点のAIツールは、人の作業を効率化したり、人の能力を拡張するための補助ツールとして位置づけています。この前提を踏まえ、業務内容に応じて最適なツールを選び、効果的な活用方法を模索しています。
さらに、出力の確認方法や活用結果をチーム内で共有し、知見を蓄積することも意識しています。
効果的な活用に向けた取り組み
導入したツールを効果的に活用するため、次のような取り組みを行っています。
活用ルールの策定
安心して利用できる環境を整えるため、以下のようなAIツールを活用した開発ルールをBacklogのWikiに明記しています。ルールは利用ツールや業務状況に応じて随時更新しています。
- AIの出力は、常に自分の意図と照らし合わせて検証すること
- コードレビュー依頼を出す前に不明点が無くなるまでセルフレビューすること
- 理解していないコードはマージしないこと
AI利用時に良い結果を得るための工夫
ラボでは、意思決定の際に「クネビンフレームワーク」を参考にしています。込み入った領域の課題に対しては、AIツールを調査ソースや壁打ち相手として活用しています。ただし、指定をしないと発言を全肯定してしまうことがあるため、以下の条件を指示に含めるか、デフォルト設定にしています。
- Constructive & Critical – 客観的で根拠ある分析を行う
- Evidence-Based – 信頼できる情報源に基づく
- Up-to-Date – 最新の確かな情報を使用する
これにより、より正確で信頼性の高い情報を得やすくしています。
参考記事:
ナレッジ共有によるAIツールの活用促進
ラボでは、AIツールの活用に関する知見を広げ、チーム全体の生産性向上を目指して、以下のナレッジ共有に取り組んでいます。
1. 参考書籍の共有
AIツールの活用知見を深めるため、チームで参考書籍を共有しています。直近では「Beyond Vibe Coding」の読書を推奨し、その要約をWikiにまとめています。 ラボでは「ACM’s O'Reilly Online Learning Platform」を導入しているため、メンバーはいつでもオライリーの書籍を閲覧できます。
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2. 日常的な情報共有
「Working Out Loud」を通じて業務内容を可視化したり、「15分ルール」に基づきSlackのヘルプチャンネルで気軽に相談できる環境を整備しています。これにより、成功体験だけでなく失敗からの学びもチーム全体で共有し、AIツールとのより良い付き合い方を模索しています。
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こうした日常的なナレッジ共有を通じて、ツール導入の効果を最大化し、チーム全体の生産性やスキル向上につなげています。
今後の展望
「The End of Programming as We Know It」で語られるように、AIの進化により、エンジニアの役割は「コードを書く人」から「AIと協働してソフトウェアを作る人」へと進化しています。
ラボでは、以前の記事「脱社内外注を進めています」で述べた通り、「エンジニアは顧客(利用者)の課題を解決する存在である」という考え方を大切にしており、この価値観はAI時代においてさらに重要性を増すと考えています。
AIは日々進化しており、最適なツールは状況によって変わります。そのため、ラボでは目的に応じたツールの柔軟な使い分けを進め、人がより戦略的・創造的な業務に集中できる体制づくりを目指しています。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました!
ラボでは、AIツールなどの新しい技術を積極的に取り入れながら、チームで協力して課題解決に取り組むカルチャーを大切にしています。
そんな環境の中で、私たちと一緒に成果を最大化してくれる仲間を募集中です。 少しでも興味をお持ちいただけた方は、ぜひカジュアル面談でお話しましょう!