こんにちは、デジタルイノベーションラボ(以下ラボ)QAチームのYです。
私たちQAチームでは、2024年8月からテスト管理ツール「Qase(ケース)」を導入しました。
Qase公式ページ:https://qase.io/product
今回は、その導入背景や効果についてご紹介します。
QAチームの現状
まずは、チームの現状について簡単にご紹介します。
ラボのQAチームは2024年1月に発足し、現在メンバーは3名です。今年の夏から、QUOカードPay関連のシステム(ECサイトやアプリなど)に本格的に関わるようになり、テストの規模も拡大しています。
使用しているツール
ラボのQAチームでは主に以下のツールを使用しています。
Backlog(課題管理)
Jira(PBI/SBI管理)
Slack(社内コミュニケーション)
テスト自動化のツール(CI/CDツール:GitHub Actions、E2E:Playwright、API:Postman)
Qase(テスト管理ツール)
Qase導入に至るまでの背景
Qaseを導入する以前、私たちはテストケースの作成や実行をスプレッドシートで管理していました。しかし、テスト対象の増加に伴い、次のような課題を感じていました。
複数メンバーのテスト進捗の把握が困難
スプレッドシートで作成したテスト仕様書は以下の内容で運用していました。
各機能ごとにシートを作成
関数を用いてテスト結果ステータスをパーセンテージで表示
担当者を記載
しかし、毎回テスト仕様書を開き、進捗を各シートごとに確認する運用に限界を感じていました。
テストケースに関連するファイルや成果物の管理が煩雑
テストで使用するファイルや成果物は、指定のディレクトリで管理していました。しかし、ディレクトリの管理やファイルが増える度に保管場所が煩雑になり、事後に見返す際に不便を感じていました。
テストケースの変更履歴を追うのが難しい
スプレッドシートでは変更履歴を保存できますが、関係ない細かな修正まで積み重なるため、特定の履歴を追うのに不便を感じていました。
テスト管理ツールの選定
テスト管理ツールに求める要件
まず、チーム内でテスト管理ツールに求める要件を明確にしました。
アジャイル開発体制で使用していくことを前提に、以下が私たちの重要視したポイントです。
テスト進捗の把握がしやすいこと
直感的で使いやすいUI
チームの規模に合ったツール
テストケースの作成・実施の効率化
試用したサービスツール
いくつかのツールをテスト管理ツールに求める要件に沿って検討しました。ツールの特徴と、採用を見送った理由について記載していきます。
1. TestRail
Backlog、Jiraとの連携機能が充実しており、テスト活動の効率化につながる点は評価ポイントでした。階層構造でテスト管理ができる点や、テストケースの再利用も可能など、管理がしやすい機能も備わっていました。
その反面、料金が他ツールより比較的高額で、閲覧専用のユーザーにも課金が発生するため、コスト面での柔軟性が欠けると感じました。
2. CAT
ExcelライクなUIで直感的に操作できる利便性がありすぐにツールに慣れることが可能でした。
しかし、個別のテストケースの再利用が難しく、特にラボではアジャイル開発体制をとっているため、頻繁なテストケースの修正や再利用が求められるので不向きと判断しました。また、大規模プロジェクト向けの特性があり、現在のプロジェクト規模に適していないと感じました。
3. QualityTracker
テストケースの再利用性が高く、テスト内容に応じた柔軟な対応が可能で、アジャイル開発における頻繁な修正にも適しています。
しかし、テスト計画作成機能や進捗達成率の管理に特化しており、小規模チームにとっては機能過剰な印象を受けました。また、テスト成果物のファイル添付にストレージ課金が発生し、コスト負担の面でも懸念があったため採用を見送りました。
上記以外にもいくつかテスト管理ツールを試用しましたが、そのツールで便利な機能が様々あり選定は迷いました。今回はラボQAチームの現状の運用に合うツールを選定したので、QA体制や開発手法が違えば別のツールを採用していたかもしれません。
導入したツール
最終的に、私たちが選んだのは「Qase」というテスト管理ツールです。「テスト管理ツールに求める要件」であげた観点に対して、Qaseでの機能に軽く触れながら導入した決め手について触れたいと思います。
テスト進捗の把握がしやすいこと
Test Run(テスト実行画面)で、誰がどのテストを担当しているのか、どの程度テストが進んでいるのかがわかりやすいです。また、テスト実施時間も計測できる(DURATION)ため、どの項目で時間が可かているかも把握できるので、テスト活動の改善に繋げられると考えています。

直感的で使いやすいUI
テストケース作成〜テスト実施まで、テスト管理ツールの仕様把握に工数を取られすぎず、実際の業務で使用できるUIでした。
チームの規模に合ったツール
Qaseでは、4つのプランから選択できます。ラボQAチームのメンバー3名がメインで使用する想定で、ストレージ容量や、API連携を加味してStartupプランを採用しました。1ユーザごとに課金するシンプルな料金体系と、閲覧ユーザも無料で作成できる点が大きなポイントでした。

テストケースの作成・実施の効率化
テスト作成では、テストケースの階層構造が把握しやすく、ネストして階層を増やせるのでどの機能でテストをするのか把握がしやすいです。また、テストケースのコピーやShared Steps(共通する手順のマスタを作成し、テストケース作成時に利用できる機能)を活用し効率的にテストケースを作成できました。実施については、「テスト進捗の把握がしやすいこと」で記載した通りです。

導入の効果
Qaseを導入した結果、スプレッドシートと比較して以下の改善が見られました。
複数メンバーのテスト進捗の把握が困難
選定時の要件で記載しましたが、個々のメンバーの進捗を視覚的に確認でき、複数人体制でのテストが効率的に行えています。
テストケースに関連するファイルや成果物の管理が煩雑
Qaseでは、テスト結果にファイルを添付することができます。テスト成果物として、生成されたCSVや画面のキャプチャなどを添付することが可能です。この機能により、テスト結果の把握がしやすくなりました。
テストケースの変更履歴を追うのが難しい
個々のテストケースで、誰がどの内容を修正したのか変更履歴を残すことができるので、変更内容をすぐに把握することができるようになりました。
他にもQaseを利用してテスト活動が改善されたと感じた点がありました。
QAチームメンバー以外へのテスト結果共有が容易になった
テスト番号の自動採番機能があるので、管理がしやすく、証跡が追いやすくなった
テストの手順1つずつに対してテスト結果ステータスを付与できる
スプレッドシートのUI上での操作(横スクロールやセルの縮小)が不要
Qase移行後の課題と展望
Qaseをさらに活用し、以下の改善を進めたいと考えています。
1. テストケースの管理と運用方法の検討
現在、Qaseに既存のテストケースを移行中ですが、多量のテストケースの運用をどのように管理するかが課題となります。Qaseには機能が沢山あるため、自分たちのチームの運用にあわせて、テストケース作成時や実行時などの運用ルールを決めていく必要があります。
例えば、Qaseではテストケース作成時に「Tags」機能で任意のタグを設定することができます。この機能でテストケースが増えても、設定したタグで絞り込みを実施すれば、効率的にテストケースを活用することができます。他にも優先順位やテスト種別(ユーザビリティ、機能性、非機能性)などを活用し、テスト活動を効率化していく予定です。

2. テスト活動の分析
今はテストケース作成〜実行で主に使用していますが、テスト活動の分析を行えるダッシュボード機能もQaseには備わっています。ダッシュボード機能を活用し、テストのPass率や実行時間の分析を行い、さらに改善を図っていきたいと考えています。
3. Slackとの連携
QaseにはSlackと連携する機能があります。テスト進捗や変更通知をリアルタイムで受け取る体制を構築し、テスト進捗の把握をテスト作業者以外も通知ですぐに把握できるようにしていこうと考えています。
今回はラボのQAチームの運用に沿ったツールであるQaseを選定しましたが、今後の運用では変わる可能性もあります。テストプロセス・QAプロセスを改善し、効率化の一環として今後も必要があればツールを選定し直していこうと考えています。
最後に
ここまでお読みいただき、ありがとうございました! クオカード デジタルイノベーションラボでは、新しい仲間を募集しています。
少しでも興味をお持ちいただけた方は、是非カジュアル面談でお話しましょう!